Vol.14-1 2004 ナパ・ヴァレー・オークション リポート

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パート1【ナパ・オークション】

– ISN’T IT ROMANTICA Sparkling Toast to NAPA 2004
毎年発表されるテーマも心躍るひとつの楽しみです。テーマを考えるヴィントナーズも生みの苦しみ、いや喜びを味わっていることでしょう。
思えば初めて参加した2000年は、なんと3日間で$9.5ミリオンが集まったレコードイヤーだったのでした。
『COPA DE NAPA Last Of The Red Hot Nightclubs 2003』
『CIRQUE DU VIN Revelry In The Vineyards 2002』
『Ode to Napa Valley 2001』
『Kaleidoscope 2000』

今年で24回目を迎えるオークションは、1回目からの累積寄付金額がついに$50ミリオン(約57億5千万円)を超えるに至りましたが、米国の経済状況を写す鏡とまで揶揄されるこのイヴェント、今年は$5.3ミリオン(約6億円)にとどまったのです(こういう言い方を参加者はする)。
そしてこの莫大な金額から必要経費を差し引いた額が、今年もナパヴァレーの各施設や病院をサポートしていくことになります。
かくしてナパは、政府に頼ることなく自助努力により地域支援を行い続けるのであります。

とりあえず結果報告から。エピソードやワイナリーの個別ニュースは順次お届けします。今年は$220,000タイでトップがふたつ並びました。
試合の勝敗ではないので、ハーランは3位の位置づけとならず、そのままセカンドポジション。アロウホとシェイファーの順位も同様の扱いです。
やはりカルトワインが手堅くトップ3を独占したのでございます。
ちなみにグレイス・ファミリーは今年不参加(昨年はダラ・ヴァレが不参加。ヴィントナーズが毎年参加する義務はありません)でした。

笑っちゃっても、ため息つきっぱなしでも、あきれても。ご自由にどうぞ。
これが米国で行われるオークションの現実でございます。

トップ10 ライヴ オークション ロット

●ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ ロット75 $220,000 = 約2,500万円
– インシグニアやシェイファー、ヒルサイドセレクト、プライド・マウンテンなどダブルマグナム13本を含む109本
– 特注ワインセラー、デカンタ(リーデル、ドミニュウス、ジェロボウム)、ワイングラス16脚(リーデル ソムリエ・ボルドー&ブルゴーニュ)
– 8人分のお食事8回分(毎回異なるワイナリーがホストするそうな)
– カリストガ・ランチでの宿泊8泊 2人分(Calistoga Ranch = オープンしたばかりの会員制オーベルジュ・リゾート)
– キャデラック AXLE ロードスター コンヴァーチブル リミティッド エディション(ジェネラルモーターズから寄贈)
★NVVAったら威信をかけるにしてもやりすぎじゃあないのか…
これビッドしたの、私の友人です。ゲーリーはヴェンチャー・キャピタルの先駆者。
彼の奥方の名は「ユカ」。 何故「ケイ」はこういう殿方に見初められなかったのだろうか…。

1)スクリーミング・イーグル $220,000 = 約2,500万円
1995-1997年ダブルマグナム3本 
★これを落札したのはあの香港のミスター・クーでした。
Vol.13 香港式慈悲的心with Grace Familyでリポートした、グレイス・ファミリーのチャリティディナー in 香港を主催した方です。
香港から家族や友人を伴っての常連ビッダー。

2)ハーラン・エステート $180,000 = 約2,070万円
マグナムボトル10本 1991-2000.
★オークションヴァージョンのエチケットの美しいことといったら…

3)ダラ・ヴァレ ヴィンヤーズ $150,000 = 約1,725万円
-2001年 サルマナザールボトル(9リッターボトル)&レギュラーボトル6本  
-ダラ・ヴァレ邸でオーナー&ワインメーカーと一緒にお食事8人分
★サルマナザールボトル&お食事。これはミスター・クーと、前日ホスピタリティ・イヴェントとしてダラ・ヴァレでランチをとった男性の一騎打ちとなりました。さてどちらがサクセスフル・ビッダーとなったでしょう?

4)ヴィンヤード29 $135,000 = 約1,550万円
2001年 ダブルマグナムのCS、RED、ZIN オークションエッチングボトル各1本
★29号線沿いのアドレス2929に位置するこのワイナリーは、オーナーがドットコマース、コンピュータのような頭脳を持つMr.マクミンに変わりました。(.COM 関連で多額のお金を手にした人たちの通称)
オークションヴァージョンのエッチングボトルにお金かけたーってかんじ!

5)ジョセフ・フェルプス・ヴィンヤーズ $100,000 = 約1,150万円
– 1974 – 2003年 マグナムボトル垂直30本
– 2003年 インシグニア 45リッターボトル
– 手彫りの特注ワインラック
– ワイナリーでのディナー6人分
★このロット、ため息しか出ないほど壮観で、45リッターボトルなんて私も生まれて初めて見ました。

6)ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ・ロット137 $95,000 = 約1,100万円
– ナパ・ヴァレー・ワイン 365本
– リッツ・カールトン・リゾート12泊2人分
– ファーストクラス航空券2人分
– 2005年ワインオークションチケット2人分
– 2005年ワインスペクテーターパーティチケット2人分
– オークション期間中のメドウウッド宿泊&リムジン 2人分
★これが1000万円なんて超おトク!なんだとか。
365本あれば2週間は持つはずってウィンクしてたよ、ビッダーは。そんな気もする…。

7)コルギン・セラーズ $90,000 = 約1,000万円
-2001年 6リッターボトル1本 
★スクリーミング・イーグルもそうだけど、ワインだけというのが潔く感じられるくらい毎年ロットの内容がエスカレートしています。
インペリアルボトル1本でこの値をつけたのはあっぱれでしょう。

8)スタッグス・リープ・ワインセラーズ $80,000 = 約920万円
– FAY、 SLV、CASK23のマグナムボトル52本
– ケーヴでのディナー6人分
– ナパでの宿泊2泊とリムジン6人分
– A matching bid contribution to the Statue of Liberty
★昨年の$45,000から一気にジャンプしました。極めつけは最後に英文でそのまま表記した中身。ウィニアスキー氏は、自由の女神基金の役員なれば、この落札価格と同額の$80,000を落札者の名前でこの基金に寄付すると高らかに謳いあげたのです。自由の女神が建つ島を再び開放するための資金にあてられます。発想が素晴らしいというか、日本人には思いもつかないというか。

9)アロウホ・エステート・ワインズ $75,000 = 約860万円
-2000年 6リッターボトル1本 
– アロウホのゲストコテージ2泊8人分 毎食つき
– ブレンディング・セッション
★多くのワイナリーが敷地内にゲストハウスをかまえています。
友人をまじえて楽しい2泊3日のツアーを楽しめば、感謝されるだけでなく一目おかれる存在になること間違いなしでしょう。

10)シェイファー・ヴィンヤーズ $75,000 = 約860万円
-2001年 9リッターボトル1本&ヒルサイドセレクト垂直1983-2001年など23本
– ワイナリーでのランチ26人分
★創立25周年を迎えるシェイファー、頑張りました。
スタッグス・リープ・ディストリクトのサルマナザールボトルにヒルサイドセレクトを初ヴィンテージから現ヴィンテージまでずらりと揃えも揃えたり。
しかも落札者はなんと25人も引き連れて、シェイファー家のメンバーとランチを楽しむ趣向です。VIVAファンだったらあっという間に集まりそうだけれど。

トップ10 ライヴ オークション ロット 各10ケース

Shafer Vineyards $62,700
Pride Mountain Vineyards $43,550
Gemstone $42,300
D.R. Stephens Estate $41,850
Joseph Phelps Vineyards $32,150
Rudd $30,200
Beringer Vineyards $28,200
Kuleto Estate Family Vineyards $27,850
Cliff Lede Vineyards $24,050
Clark-Claudon Vineyards $23,400

★またカルトクイズに出るかも?要チェック!
シェイファーは昨年に引き続きトップの座を守り、パーカーが満点を献上したプライド・マウンテンが2位に上昇。
ベリンジャーは3位から転落したものの10位以内にくいこむ一方、ワインメーカーがポール・ホッブスから変わったせいか?
昨年4位のルイスは圏外に。こればかりは実際にバレルテイスティングをしたビッダーが、自分の舌にあったワインを選んで落札するわけですから、好みが反映されるというものです。
12本入ケースが10csですから、1位のシェイファーは、1本約6万円也。
言うまでもなく、米国でも預金金額やクレジットカードの限度額を気にせず、好き嫌いだけで欲しいワインをこんなふうに選べる身分になれるのはほんのひと握りです。
別世界を垣間見るのは、楽しくもあり脱力感もあり。

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※リポート内容は取材当時のものとなります

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